私たち自身が「いぐね」を学びあうことで子どもたちへ伝えたいと熱意が生まれました。
私たち仙台いぐね研究会は、主に宮城教育大学の学生が中心となり、宮城県名取市にある重要文化財「洞口家住宅」を舞台に2001年より毎年、『いぐねの学校』を7月末に開催しています。
『いぐねの学校』では半日をかけて、かまどを使った炊飯、ずんだやきなこ作り等、昔のライフスタイルを学校のように時間割を組み、小学生に体験してもらっています。昔のライフスタイルの体験、例えば、薪を使い、苦労して炊飯を行うことで、いかにボタン一つで火がつく現在の生活が便利なものか、また便利さを生むためにどれほど自然に負荷を与えているのかを実感することになります。この実感を通じ、現代のライフスタイルと比較することで、ライフスタイルを見直す力、疑問に持つ力を伝えることを目的としています。
実際に参加前と参加後のアンケートでは大きな変化が見られ、環境に対して、参加前では「自然を大切にすることは重要」という漠然とした解答がほとんどだったのですが、参加後では「時間や手間がかかっても環境への負荷を少なくすることが大切」という自分の生活に根ざしたもの、具体的な解答に変わっており、これは私たちの趣旨が伝わったのだと認識しています。このことは参加者である小学生だけでなく、『いぐねの学校』を運営している私たち研究生も同様です。
いぐねの学校全景『いぐねの学校』では、大学生が中心となり、広報からプログラム作成、運営まで全てを行っています。「体験できてよかった」等、好評をいただいておりますが、苦労も数多くありました。どうすれば小学生にわかりやすく、飽きずに昔のライフスタイルを体験してもらえるか、プログラム作りでは何度も試行錯誤を繰り返し、いぐねの植物を学んでもらうためにクイズ形式のスタンプラリーを取り入れたり、様々な工夫を行いました。また、名取市の小学校にチラシを配布するときにも、チラシという限られた文面の中でいかに自分たちの活動、趣旨をわかりやすく伝えるかを考え、推敲を何度も行いました。しかし、様々な苦労があったものの苦労の根底にあることは同じだと思います。
それは私たち自身が『いぐね』を理解していないことです。私たちも、かまどでの炊飯や、草木に関する知識はほとんどなく、講師の方々等から教えていただき、私たちが勉強することから始めました。私たち自身が学習していくにつれて、『いぐね』を通じて環境に対して考えが深まり、小学生に伝えたいという熱意が生まれました。このことが小学生に私たちの趣旨が伝わった要因だと思います。
蒸かまどを使った炊飯一方で問題点もあります。体験はあるものの、事前学習、事後学習がないことで考えの深まりが浅いということです。参加体験型のイベントであり、事前、事後学習に時間が取れない中でどのようにして事前学習を行うか、体験後のフォローを行うかが今後の課題だと思います。環境教育と聞きますと難しく、関わりにくいイメージを持たれると思いますが、環境に触れる場、自分のライフスタイルを見直すきっかけを与えることも重要な環境教育ではないでしょうか。
植物の特徴、役割を覚えながらのスタンプラリー参加者である子どもたちだけでなく、運営に携わる私たち自身もともに学びあうことがESDをはじめる第一歩だと思います。
いぐねの学校に参加した子供達| 仙台いぐね研究会 | |
| 住所 | 〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉149 宮城教育大学小金澤研究室気付. |
| Tel | 090-7437-7527 |
| Fax | 022-214-3386 |