協働主体
協働活動概要
NPO法人田んぼとの協働によるお酒づくり
NPO法人田んぼでは、冬に田んぼに水をはる「ふゆみずたんぼ(冬期湛水水田)」の普及啓発と実践研究を行っている。雁の飛来地となっている田尻地区では、年々、雁の飛来数が増加し、沼地は越冬する雁で密集状態になる。それを解消するため、周辺の田んぼに水を張ることで雁の休息所になる。さらに、雁の糞を分解するイトミミズや微生物、カエル、クモなどの生物が増え、雑草が育ちにくくなる環境が作られると同時に天敵を使った害虫の制御が可能になってくる。これが「ふゆみずたんぼ」である。
その「ふゆみずたんぼ」で栽培された有機米ササニシキを原料に「特別純米原酒 ふゆみずたんぼ 一ノ蔵」を開発。2007年10月、1800ml、4500本を発売し、12月には完売となった。
NPO法人田んぼは、ふゆみずたんぼ農家と一ノ蔵のつなぎ役や、全体のコーディネート・マネジメントを行った。価格交渉では、一ノ蔵と農家の間にNPO法人田んぼが入り、仲介役となった。また、酒瓶にかける吊り下げタイプのラベルは、蕪栗沼の葦をつかうことで蕪栗沼の葦による極端な陸化を防ぎ、釣り下げひもは田尻地区の授産施設で加工しており、産業、農業、環境、福祉が一体となった取り組みが実を結んでいる。
さらに、NPO法人田んぼは、ふゆみずたんぼのロゴの使用を無償提供。それに対し一ノ蔵では、このお酒の売上の一部をNPO法人田んぼとNPO法人蕪栗沼っこクラブへ寄付している。
※平成17年に蕪栗沼・周辺水田はラムサール条約湿地に登録
経緯
数年前、田尻町の職員とNPO法人田んぼの理事長が一ノ蔵を訪ね、ふゆみずたんぼの有機栽培米でお酒づくりについての相談。しかし、そのときはさまざまな理由から断念。それから数年後、今度は一ノ蔵の方から、ふゆみずたんぼのお酒をつくりたいと相談があり、そこから連携したお酒づくりがスタート。一ノ蔵とNPO法人田んぼの戦略が合致し、さらに時代の流れも合っていた。
キーパーソンとその役割
- NPO法人田んぼ理事長
ふゆみずたんぼ農家さんとのつなぎ役、全体のコーディネート・マネジメント
NPO法人田んぼからのコメント
協働への期待
- お互いが自分でやれないことを補い合うこと(そのためには自分の足りないところを自覚することが必要)
- ふゆみずたんぼのPR
得られたメリット、効果
- お酒とともに、ふゆみずたんぼのお米も高く評価された
- 一ノ蔵もふゆみずたんぼによるお米づくりを始めた
地域からの反応
- 地域に高く評価され、売れ行きの良い酒となっている。
- 地元でも良いお酒だと評判が良いし、地元の温泉でもこのお酒をお客に出している。
- 全国の酒販売店でも評判の高い酒となっている。
工夫した点
- できるだけ多方面との連携を目指したこと
- タイミングを見計らうこと
- 無理をしないこと
苦労した点
- 夢を描いていたので、苦労を感じたことはない
資金確保策
- 特に資金の掛かることはなかったが、必要なところは各主体が負担した
今後の課題と展望
行政機関に望むこと
株式会社一ノ蔵からのコメント
協働への期待
得られたメリット、効果
- 商品のバリエーションが増えた
- 環境問題へ取り組むことで企業イメージがアップした
地域からの反応
- ふゆみずたんぼへの認識はまだまだ低い
工夫した点
- 原料を確保するために契約栽培をしている(50軒の農家と契約)
苦労した点
- 原料の価格が高いので、お酒の価格も上がり、商品の販売に苦労した。家庭用としては、あまり買ってもらえない。贈答用として買う方が多い。
資金確保策
- 自己資金
今後の課題と展望
行政機関に望むこと
ふゆみずたんぼのお米を使ったお酒
<特別純米原酒 ふゆみずたんぼ 一ノ蔵>
出典: 「NPO 等と連携した企業の取り組み」EPO東北 2007年度